2009年の発売以降2022年には待望の無線版も発売、形も変わらず奇抜な見ためと独特の使い心地で根強い人気を持つトラックボールSlimbladeシリーズ。
その無線版であるSlimblade Proもまた、見た目のかっこよさや親指ではなく人差し指や中指でトラックボールを操作したくて購入した人も僕含め多いかもしれない。
しかしその独特の使い心地で使用を断念するという話もよく目にする。僕自身も何度か使用を断念しつつも結局戻ってきて、今はメイン機として使用中。そんな中で特に効果があった方法を紹介しようと思う。
ポイント① Slimblade Proは構造上の矛盾点があるからパームレストはだいたい必須

Slimblade Proはせっかくパームレストがいらないほどの薄さを達成しており、公式もそのまま使えるエルゴノミクスを謳っている。
しかしボールがデカいために手首を少し上に向けて使う必要があり、分厚いキーボードをパームレスト無しで使って手の甲の筋が痛くなるのと同じ症状が現れやすい。この55mmのボールを50mmやいっそのこと45mmとかにして発売したらパームレストは不要になるだろうに、実際は手首が強い一部の人を除いてパームレスト必須なのはマイナス。
椅子の肘掛けを利用しても良いがキーボードとの兼ね合いもあるので、個人的におすすめのパームレストを紹介したいと思う。
FILCO ウッドリストレスト

僕はこのパームレストをのこぎりで真っ2つにして使っている。北海道天然木バージョンには最初から分割されているものもあるのだが、僕の場合汗をかくとアレルギーなのか痒くなったのでアメリカンチェリーの方を買い直し使っている。
このパームレストの良いところは手前に向けて傾斜がつけられており、さらに前後逆に使うことで手首から手のひらにかけてのふくらみが良い感じに収まり長時間の作業においても痛くなることはなかった。
そして表面処理が無垢材にオイルコーティングをしているだけなので、汗は吸ってくれるし汚れてきたら自分でオイルを塗ってメンテナンスも可能。
クッションタイプはヘタるし反発が強いと手のひらが痛くなるし、ウレタン製は加水分解するし何より汗を吸って臭くなりやすいのであまりおすすめはしない。
ポイント② Slimblade Pro左クリックは親指以外で押そう
Slimblade Pro以外にも親指トラックボールを色々使ってきて、どれも長時間使うと親指の付け根が痛くなるのが悩みのタネだった。
それを解決するためにSlimbladeを購入したのだが、親指で左クリックをするのでやはり負荷がかかって痛くなるときがあった。そこで左クリックを別のところに割り振ることにした。
右上のボタンに左クリックを割り振る

これがなかなか良くて、クリックは中指か薬指に任せ親指の負担を極力減らすことに成功した。慣れると思った以上に快適で、ドラッグするなどのときのみボールを親指で転がすようにすればうまく行く。
キーボードの左側にクリックを割り振る

これはボタン入力のカスタマイズかできるキーボードか、Windowsならkeyboard manager、MacならKarabiner-Elementsを使って例えばスペースを推している間だけFキーを左クリック、Dキーを右クリックというようにする方法。
これを使えば右手はポインター操作のみにすることもできるので親指どころか右手の負担が恐ろしく軽くなる。Slimblade自体が左右対称なのでトラックボールを左において逆の構成にして使っても負担を分散させられるのでおすすめ。
他のマウスを用意してクリックのみそちらに任せる

左右対称か左手用(Slimblade Proを左手で使う場合は右手用)のマウスかトラックボールを用意して、クリックのみそちらに任せる方法。
これもキーボードを使わないときは特に快適で、大玉トラックボールのポインター移動はとても気持ちが良いのでそれを活かしつつ作業に望める。マウスを2つ使う方法は、ボタンも割り振れるものにすれば単純にボタン数も倍増するのでおすすめ。
ポイント③ Slimblade Proを使う机の高さが高過ぎないか

ものを書く机としては70cmを超えていても問題はないが、PC作業を行う高さは腕を真っ直ぐ下に落とし肘を90度に曲げたときにちょうど机にのるぐらいが良いと言われている。
高さのある机でPC作業をすると脇が開いて肩が上がり、肩こりの原因になりやすい姿勢になってしまう。
対策としては昇降デスクを導入するか後付けのキーボードスライダーを取り付けるかだが、前者は地震に弱く故障したときが面倒過ぎるので個人的にあまりおすすめはしない。後者は以下の記事で紹介した性能も使い心地も素晴らしいキーボードスライダーがあるのだが、導入コストも敷居も高いのがネック。
なのでまずはクランプで簡単に取り釣れられるものを使ってみることをおすすめする。椅子に高さが変えられる肘掛けがあるならその高さもあわせるとさらに快適さが増す。
発売から10年経っても変わらない形状で愛されているSlimbladeとその無線版Slimblade Pro。自分の体に合えば最高のデバイスとなるので、今回紹介した方法も合わせて、ぜひ導入を検討してみて欲しい。