電動昇降デスクって便利であることに異論はない。立たないからいらないといっている人がたまにいるが、PC作業をするときとものを書くときでは最適な机の高さは結構違うので、座る専用でも実は有用だ。
僕も電動昇降デスクは2台買っていて、非常に気に入って使っていた。しかしとある理由ために使用を断念し、現在は普通の机に戻している。
あくまで個人的な使用状況と感覚によるものなので、参考程度にしていただければ幸いに思う。
実際に使っていた電動昇降デスクたち
まず最初に購入したのは山善の電動昇降デスク。発売当初は5万円を切っていて日本メーカーでは破格の値段だったので購入した覚えがある。

ものを書くときには問題はなかったが、キーボードを打つときに70cmを超える最低の高さがネックとなりもっと低くしたいために買い替えることに。
この界隈では中国メーカーのFLEXISPOTが有名だったが、低レビューに日本メーカーではあり得ない内容が多く不安なため今度はダイシン工業の電動昇降デスクの脚部のみを購入、天板はマルトクショップというところでサイズオーダーして取り付けて使用していた。

電動昇降デスクは地震に弱い構造上の欠陥がある

まず一般的な電動昇降デスクは構造上の致命的な欠陥があると感じている。まず片側にモニターアームなど重いものを取り付けると反対側を軽く持ち上げるだけで倒れそうになる。
これは最低の高さにしても変わらない。脚部の取り付け位置を手前にずらして対策を試みたが、そもそも電動昇降デスクの脚部は机にくっついている部分から脚部までが最も重く、机の前後幅よりも短い足部分が実はあまり重くない。
こうした構造だとどうなるかというと、家全体がそれなりに揺れる地震のときに判明した。
なんと前後に傾くほどにめちゃくちゃ揺れたのである。壁側においていたので壁を強打しながら前にズレてきて、今にもディスプレイを取り付けている奥側に倒れそうなところで駆けつけ事なきを得た。
考えてみれば重い脚部やモーターに加えて天板やモニターアームなどの重量を、子どもが片手で持てる軽さの天板より短い足だけで支えるのは確かに無理がある。
真ん中ではなく脚部が奥側に寄っているタイプもあるが、これも奥側がモニターアームなどで重くなると手前側にも何かつけて重くしないと倒れそうで怖い。
モーターがいつかは壊れる

電動昇降デスクは1つまたは左右2つのモーターで上下するが、なかなかの重量を上げ下げするのも手伝って摩耗しいつかは壊れる運命にある。
上下する頻度が高ければ高いほど早く壊れるだろうし何より中途半端な高さで止まった場合、その状態でモニターアームなどの卓上のものを全て外した上で、組み立てた人ならわかると思うが天板含めなかなかの重さの脚部を分解しなければならない。
そしてそれをまた箱に詰めて修理に出すなんて想像しただけでも重労働かつ面倒臭過ぎる。保証が過ぎたら修理費も馬鹿にならないかもしれない。
そう考えたとき、前述の欠陥も考慮し使用する気が失せてしまったので使用を断念し普通の机に戻ることにした。個人的な環境に基づく結論ではあるけれど、参考にしていただけたら幸いに思う。そしてこの経験のお陰で、次に使うのはどうせなら末永く使える机にしたいと考えるようになった。
パーティクルボードはやめておけ

これは電動昇降デスクに限った話ではないが、末永くその机を使いたかったら市販のPCデスクで大体使われているパーティクルボード製の天板はやめておいた方が良い。パーティクルボードとは木材を粉々にしたものを接着剤で固めたものであり、その表面に更に薄い板を接着剤で貼り付けたものが一般的に売られている。
山善の電動昇降デスクの天板もそうだったし、IKEAのカールビーなどの天板もこれに当たる。学校などの机もこのタイプが多い。利点はとにかく値段が安い。
そのため無垢材に比べて内部が柔らかいのでテーブル脚を取り付けるためのネジ穴の強度が低く、実際鬼目ナットが抜けてしまい脚部が取り付けられなくなったことがある。テーブルの片側に重いものをのせたり取り付けたりしていて、脚部が外れたりしたら悲惨すぎる。
そして表面の薄い板は基本的に傷ついたり割れたりしたら修復ができないものもあるので注意が必要。接着剤が蒸発して剥がれてくる場合もある。表面がメラミン化粧版のものは水分をこぼしても拭き取るだけで、耐久性も高いが太陽光で剥がれてベトついてしまったことがあり、個人的にはあまり信用はできないし質感も安っぽい。
一生物の机はサイズオーダーした無垢材で作ろう

できれば一生使い続けられる耐久性の高い机を作りたかったので、材料は無垢材を使うことにした。無垢材とは天然の原木から切り出した板や角材のことをいい、接着剤を使わずにそのまま家具などに利用できる木材である。
木そのものの性質を発揮するので、例えば1400年以上前に建てられた法隆寺は当時の65%のヒノキの無垢材を今も使用しており、その性能の高さは火を見るより明らかだ。
無垢材で机を作れば、傷ついたり汚れてもヤスリがけしてオイルを塗るだけでいつまでも使える。僕の家にもナラ無垢材の机があるが、20年以上前に購入したのに色合いが経年劣化で深みを増した以外何も変わらず鎮座している。

僕はマルトクショップというところでよく購入している。ここではサイズオーダーすれば自分や家族用にもベストなものを作れる上に、塗装や反り防止などオプションも豊富。
更に脚部も同時に購入すればそれにあった鬼目ナットも取り付けてくれるのでDIYが苦手でもなんの問題もない。鬼目ナットだと引っ越すときなどに分解できるのでおすすめのオプションだ。そして机じゃなくても僕の場合キーボードスライダーのトレイ部分だったり、キーボードのパームレストを作ってもらったこともある。
木材の種類も豊富で個人的なおすすめは法隆寺にも使われている安くて防虫効果が高くオイル塗装もしなくて良いヒノキか、高価だが固くて見た目の高級感や質感が素晴らしいウォールナット、我が家で20年以上現役の机に使われているナラ材(オーク材)。とにかくメリットが多いので一度検討してみて欲しい。無垢材やマルトクショップについて詳しくは以下の記事で紹介している。