2022年9月にPDFへの書き込みができてノートがとれる大型Kindleその名もKindle Scribeが発売された。元々Kindle端末で読書していたので迷わず購入した記憶がある。
よく電子ペーパー端末に対してiPadの方ができること多くておすすめとか言っている人がいるけど、それは基準がそもそもおかしい。人間の目は光を浴びれば浴びるほど劣化し視力の低下からいずれ病気や失明を招くといわれている。
画面自体が光るiPadと光らない電子ペーパー(光らせてもフロントライト)、比べるまでもなく電子ペーパーの目への影響は紙の本と変わらないため、目への優しさ一点においては確実に大きなアドバンテージがある。
そのため個人的に目のためにも普通のタブレットでノートはとりたくなかったので、富士通の電子ペーパーノートQUADERNO A4 Gen.2を使っていた。なのにKindle Scribeを購入し手元にはもうクアデルノはない。
なぜ置き換えることになったのか、実際に2年半以上利用してどうだったのか、メリットデメリット含めて紹介したいと思う。どちらかの購入を検討している人は参考にしていただければ幸いだ。
QUADERNOと比較 Kindle Scribeのメリット8つ
Kindle Scribeは本体が頑丈

クアデルノはA5モデル261g、A4モデル368gと驚異の軽さを誇り、最新のカラーモデルでもその軽さを維持している。
そのためクアデルノは本体構造が犠牲になっておりとにかく脆い。僕が使っていたものも落としてもいないのに画面表示がおかしくなって故障した。
プラスチックの背面カバーにディスプレイを貼り付けた構造なので、かなり柔らかくさらに開封時から少し歪んでいた。しかも軽く押すだけで画面がところどころ浮いてきてゴミや水分が簡単に内部に侵入するのはいただけない。新型のカラーモデルも構造は同じ(重量も全く同じ)なので改善する気はなさそうだ。
Kindle Scribeはアルミボディの高級感のある見た目で、無論QUADERNOのように折れ曲がることもなければ画面が浮いてくることもない。その分重量が433gとなっているがiPadよりは軽いし頑丈であることに越したことはない。2024年に新型が出たが重量そのままでよりスタイリッシュな見た目となっている。
Kindle Scribeは修理と交換に対応

QUADERNOはそもそも製品自体を外国のメーカーに外注しているため販売しているだけの富士通では修理することができず、本体交換のみで不具合に対応する。これが何を意味するかというと、購入から1年以内に自然故障であれば無償で新品に交換してもらえる。
だがしかし、その場合でも本体をメーカーに送って自然故障と判断されなければならない。というか最近はAmazon含めまず交換品を送ってくれて、不具合品は後で送れば良いメーカーが多いのでこの仕様がまず微妙だった。もし仕事や学業で使っている場合、下手したら余裕で一週間以上手元からなくなってしまうのはきつい。
実際に僕の場合画面に不具合が起こって送ったところ、室内利用で持ち運びもなかったけれど自然故障認定されなかった。そうした場合や購入から1年過ぎた場合はどうなるのか。
修理はできないので本体交換となり本体代金が定価で丸々かかってしまうのだ。安い買い物ではないのに下手したら1年以内にもう1台買う羽目になるのは勘弁して欲しい。
僕はKindleScribeをカバーもなしに一度床に落としてしまったが、全く壊れず使っているのでまだサポートのお世話になっていないけど、本体交換に加えて修理対応もあり、別のKindle端末が故障したときは、交換用新品がこちらに届いたあとに故障品を送り返せば良く、送料もかからなかった。
Kindle Scribeはサポートが良い

クアデルノに不具合が起こってメーカーに送ったときの対応がとても悪く、個人的にはもう二度と富士通の製品自体を使いたくなくなるほどに酷かったので、ここに共有したいと思う。
送った結果自然故障ではなく全額負担の新品交換となった。これはケースなしで使っておりどこかでぶつけた可能性もあるのでまあ受け入れた。
しかし戻ってきたQUADERNOの画面が完全に浮いてしまっており、おそらく故障の原因を調べるために画面を剥がしたときに両面テープが劣化し、修理は海外メーカーへの外注なためできないので両面テープもそのまま元に戻した可能性がある。
とりあえず問い合わせてみたが、我々のせいでそのような状態になったとは言い切れないので責任は取れないとの一点張り。埒が明かないのでどのようにして原因を調べたのか、画面を剥がしたりしたのかと聞くと記録がないだのそこまで把握してないだのと言い訳ばかり。挙句の果てにはそこまで気になるなら新品交換してねと言ってくる始末。これから富士通製品は絶対に買わないと心に決めた出来事だった。
対応の仕方も事あるごとに担当者に聞くからまた電話するわの繰り返しで長時間拘束され、その割にたいした回答も得られないおまけ付き。休日の深夜でも電話がつながって即問題解決できるAmazonとは雲泥の差があり過ぎた。他のKindle端末に不具合が起こったときも迅速かつ丁寧に対応していただき、またAmazon製品を使いたいと自然に思えたのは客商売の企業として当たり前のあり方だと感じた。
Kindle Scribeはペンが収納できる

クアデルノはその薄くて軽い本体のため、ペンを収納するギミックはない。専用ケースにペンを収納できるがせっかくの軽さが犠牲になり、A4サイズモデルなら600g近くになってしまう。
Kindle ScribeはiPadのようにマグネットで側面に装着できるので、非常に使い勝手が良い。ペンを付けたまま専用ケースを装着でき、専用ケースにもペンを収納する事ができる。
Kindle Scribeはバッテリー持ちが良い

Kindleのようなバックライトを持たない電子ペーパーは、一度表示した画面を表示し続けるのに電力を使用しない。そのため電源を切らなくても一定時間でスクリーンセーバー画面となり電力消費を抑えるようになっている。
しかしクアデルノはスクリーンセーバー状態でもなぜかバッテリーをガンガン消費していく。購入して間もなくかつ何もしていないのに、一晩で2割以上残量がなくなることもあった。かといって電源を切れば起動に時間がかかるので利便性が失われる。
Kindle Scribeはバッテリーがクアデルノと比べなくてもかなり持ち、スクリーンセーバー状態で不自然に消費することも起こらず電源を切る必要がなかった。個人的にはここだけでも買い替えた価値がかなり高かった。
Kindle Scribeは電子書籍が読める

この部分も個人的にはかなり大きいメリット。クアデルノはノート専用なので比べるのはお門違いではあるけれど、本を読みたければ自分で実物の本をPDFに印刷するなりしなければならない。
KindleScribeは文庫本などの小さな文字の本の場合は特に大画面で文字サイズも自由に変えて読めて、電子ペーパーの特性も手伝って実際の本よりも目に優しいのはありがたい。
Kindle Scribeは背面に滑り止めがある

僕はノートを取るときは傾斜台を使っている。首や肩がかなりラクなのでおすすめなのだが、クアデルノは滑り止めがなく、さらに背面が丸みを帯びているので非常に滑りやすい。専用ケースにも滑り止めはないので本体に滑り止めを貼ろうにも四隅が丸みを帯びているので、滑り止めシールが貼りにくく貼っても安定感がない。
Kindle Scribeは四隅に滑り止めのゴムが内蔵されているので全く滑らず安定感もある。
Kindle Scribeはフロントライトがある

僕はスマホの輝度はいつも最低、クアデルノもライトはなくて困っていなかったが、フロントライトはデスク照明と同じくディスプレイ直下ではなく側面から画面を照らすので直接光を目に浴びるわけじゃない。そのため目に優しく意外と使う機会はあって暖色から寒色まで色合いも自在、あると何かと便利な機能だ。
QUADERNOと比較 Kindle Scribeのデメリット2つ
ここまでKindle Scribeをべた褒めしてきたが、もちろんクアデルノに劣っているところやデメリットと思えるところもある。個人的にデメリットと感じたのは以下の2つ。
Kindle Scribeは本体が重い
本体重量が433gなので片手で持つには重く感じる。クアデルノの同じA5サイズが261gなので比べるとだいたいスマホ1台分ほど重い。しかしKindle Scribeはそもそもノートとして使うため、置いて使うことが大半なのであまり気にはならなかった。持ち運びたい人はそのままなら良いがケースを使うなら気になるかもしれない。
Kindle Scribeはカラーではない
クアデルノは最新モデルでカラー表示に対応したが、Kindle Scribeは新型でもカラーに対応していない。カラーでPDFを閲覧したり色鮮やかなノートを取りたい場合はクアデルノに軍配が上がる。
しかしクアデルノはカラー表示だと解像度が何故か半分になってしまうので明らかに画面が粗いのは残念。Kindle Scribeの後継種がカラー表示かつ解像度も下がらない機種になれば電子書籍も大画面カラーで読め、かつカラーでノートもとれるので密かに期待しておきたい(製品サイクル的に来年以降だろうけども)
Kindle Scribeは電子書籍も読めてノートも書ける便利な1台

Kindle Scribeの初代モデルを発売日に購入して2年半以上が経過した。机に座っているときは読書はこれ一択で快適に読め、メモやノートも手軽に書けて消しゴムのカスは出ないしペンで机を汚したり傷付ける心配もなく目にも優しい。購入してからずっと個人的買ってよかったものトップ3に入り続けるほどに気に入っている。
2024年12月4日に新型が発売されたが、売りである電子書籍に直接書き込める新機能は旧型もアップデートで使えるようになったので、新型はデザインの違いだけで値段が高いだけとなっている(画面が大きくなっているように見えるが余白が白いだけで画面サイズも同じ)。
旧型はセールの対象にもなりやすく更に安く手に入れられるので個人的には新型のデザインじゃなきゃ嫌だという人以外は旧型で十分どころか十二分。紙のノートと同じ目への優しさで本も読めてノートもかける便利さを、是非とも体験してみて欲しい。
