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QWERTY配列をやめてPCキーボードをより快適に使おう

2025年3月29日

いま世界中で売られているPCキーボードは言語による微妙な違いはあれ、アルファベットの並びはある程度共通している。

PCを使ったことがあるのなら、誰もがかならず使うことになるQWERTY配列のキーボード。左上の文字列からこう呼ばれているこの配列、日本語を打つのに全く適していないのはもちろんだが、実は英語も別段打ちやすくもないのはご存知だろうか。

同じ文章でも指の移動距離が半分で済む合理的配列があったなら、あなたなら乗り換えますか?それとも慣れ親しんだ非合理的な配列を使い続けますか?

本記事ではQWERTY配列の歴史と性能、有志たちによって生み出された合理的配列たちを通して、できればQWERTY配列以外を使っていただくためのノウハウを紹介したいと思う。

QWERTY配列はいかにして生まれたのか

QWERTY配列は1882年に生まれた。それまでの配列は1967年のタイプライターはいわゆるアルファベット順に並んでいたり、その時の年号を打ちやすくするためだったり、モールス信号を打ちやすくするためだったりと様々な配列が生まれては消えていったとされている。

QWERTY配列がなぜこの並びになったのかは諸説あり

  • タイプライターの技術的な限界から打鍵速度を落としてアームの衝突を防ぐために考え出された配列だという説
  • 最も続けて打つことが多い文字、TとHの上部から伸びる棒を遠くに離すことで、内部の機械の故障を起こしにくくしたという説
  • 元々あった英文タイプライターの配列の数字を英字に置き換えたのが基盤となり、そこからモールス電信用途に改良した説
  • タイプライターのセールスマンが、顧客に対して簡単にtypewriterという単語の打鍵を披露できるようにしたものだという説
  • 既存配列に特許が絡み、それを回避していく内に現在の配列になった説

と様々な説のいずれかを経て生み出された模様。正直どの説だったとしても現在においては微塵も合理性や利便性が考慮されていないことがよくわかる。

どうしてQWERTY配列が普及したのか

1980年代にQWERTY配列に対抗するライバル配列が存在しており、打鍵速度コンテストが行われたりしていた。

そんな最中、1893年3月30日に大手タイプライター会社5社を傘下に収める形でユニオン・タイプライター・カンパニーが設立され、タイプライター・トラストという寡占行為が行われた。

それによって科学的な根拠や議論もないままにキー配列がQWERTY配列に統一、それに伴い大手のタイプライターメーカーが揃ってQWERTY配列のタイプライターを製造し続け、タイプライター市場ではQWERTY配列がスタンダードとなってしまったのだ。

現在においてはこの配列である必要性は皆無に等しいのだが、既得権益のような状態で当たり前になってしまった弊害といえる。

合理的配列の元祖 Dvorak配列が登場

QWERTY配列の問題点に気付き、打鍵の誤りを低減して、入力速度を向上させ、使用する人の疲労を軽減することを目的として生み出されたDvorak配列が1932年に登場した。

ワシントン大学の教育心理学者オーガスト・ドヴォラックにより考案され、彼は生涯を通してこの配列の普及に努めた。英文入力に特化しているものの、母音が左側に集まっているのでや行やか行以外は左右交互に入力できるので日本語においてもQWERTY配列より打ちやすい。

QWERTY配列の既得権益の力には敵わなかったが、ほとんどのPCでDvorak配列を設定から選ぶことができ、爪痕を残せているのはすごい。その後も様々な合理的配列が生まれたが、PCの設定に組み込まれることはなかった。

個人的おすすめ 大西配列

QWERTY配列は特に日本語入力で無駄が多く、例えばホームボジションにおいて人差し指という特等席がFとJ。これは頻度の低い「ふぁ」、「ふぃ」、「ふぇ」、「ふぉ」、「じゃ」、「じゅ」、「じぇ」、「じょ」を入力するときしか使わない。

反対にめちゃくちゃ頻度の高い「あ」は一番弱い小指で打っていたり、残りの母音も特等席の真ん中の列になく、上の列に左右別れて配置されている。日本語のタイピング競技の動画を見ると、指が動きまくっていてかなりロスをしている。「き」「む」「ぬ」など同じ指で順番に打つひらがなも多い。

そうした欠点を補うために数々の有志たちによって様々な合理的配列が生み出されているが、デザイナーの大西拓磨さんが考案した大西配列を個人的におすすめしたい。

この配列は英語もある程度打ちやすくしつつ、統計的に日本語においてはなんと指の移動距離がQWERTY配列の約半分になるという。母音が左側にまとまり「ザ行」「ヴァ」「ヴィ」「ヴェ」「ヴォ」以外全て左右交互に快適に入力することができる。

QWERTY配列と左下の並びが同じだったり、「ー」が近いのも地味に便利。日本語配列だとEnterやBSが遠いので変換無変換あたりに持ってきたら更に入力が速くかつ効率的かつ体にも優しくなること請け合いだ。

キー配列が変更できるキーボードであれば大西配列をすぐに導入できるが、そうでなくともWindowsならばPower Toys(マイクロソフトの無料公式ソフト)内のKeyboard Managerでキー入力を簡単に変更できる。

MacならばKarabineu-Elementsという無料アプリを使って行う。キーキャップの刻印は無視して、いっそのことキーキャップ交換できるものは無刻印にしてしまうのも一手かと。

大西配列用おすすめキーボード HHKB Professional HYBRID シリーズ 無刻印

なぜこのキーボードがおすすめかというと、市販のキーボードでデフォルトで無刻印なものは僕の知る限りこのシリーズしかないからである。

ホームボジションの人差し指のキーは専用の突起があるのでFとJしか基本的に売っていない。そのため配列を変更するには無刻印が都合が良いからだ。他のキーボードだとそのキーボードに合う無刻印キーキャップを探さないといけないし、日本語配列だとかなり難航する。

そして専用ソフトで配列を本体内部に保存できるので、自宅PCだろうが会社のPCだろうが同じ配列で使用することが可能だ。

Power ToysやKarabineu-Elementsだと職場のPCで外部アプリが使えなかったときなどに、強制的にQWERTY配列になってしまうので専用ソフトがあるやつのほうが良い。あとは打鍵感がとても好みというのもある。

 大西配列に変更して6ヶ月ほど経ち、QWERTY配列を使っていた頃より少し速くなったが、明らかに手の疲れが少なくなった。1日に大量の文字を打つ人には特におすすめしたい。とりあえずPower ToysやKarabineu-Elementsの無料アプリを使って、大西配列を体験してみて欲しい。


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