普通のマウスが苦手でずっとトラックボールを使い続けて十数年、思いつくだけでもMX ERGO、M575、DEFT、DEFT PRO、EX-Gトラックボール、Slimblade、その無線版、Expert Mouse、その無線版、OrbitTrackball 無線版、Pro Fit Ergo Vertical、Digio2トラックボールetc…。

しかもそれらのトラックボールはほとんど手元に残っていない。特に親指トラックボールはどれも指の付け根が長時間使用で痛くなり、かといって人差し指中指トラックボールは親指が左クリックやスクロールを担当する事になり結局親指の負担が多く筋を痛めてしまう。親指をあまり使わないボタン配置だとせっかくの利便性が犠牲になる。

そんな中数十年前に息絶えたボールの支えをボールベアリングにしたトラックボールが、2023年にエレコムからISTとして発売。引っかかりが皆無なので親指への負担が少なく快適、しかしそこ以外が微妙だったが2025年についに上位機種が登場し、速攻購入して1年以上使用、個人的に良かったところを5つ、イマイチなところを2つ紹介、新発売下位モデルのIST PLUSとどっちが良いのかにも触れていきます。


IST PROの良かったところ5つ

①バッテリーの選択肢が豊富

バッテリーが乾電池、エネループのような充電式電池に加え、専用のUSB給電可能な充電式電池まで使えるのは素晴らしい。人気のMX ERGOやSlimblade Proなどの高級トラックボールは取り外し負荷のバッテリータイプなのでなおさらだ。

このシステムのお陰で内蔵充電池が保たなくなったり膨張したりしても交換でき、乾電池で気楽に使用することもでき、もちろんエネループのような充電式のものも使える。内蔵バッテリータイプは劣化して容量が減ったとき交換できず買い替えになるので苦手だったし、マウスはボタンが最初に駄目になるので自分でスイッチ交換して長期使用していたので願ったりかなったり。

②本体内にボタン配置を保存可能

ロジクールやケンジントンを含め日本で手に入るトラックボールはボタン配置を本体内に記憶する機能がなく、かといって専用アプリが誤動作することもありストレスだったがその心配も皆無。

たとえばアプリが入れられない職場のPCでも、自宅で設定した同じボタン配置で使用できるのはオフィス用途ではあるべき姿。ロジクールのゲーミングマウスではそれが出来るのに、MXシリーズなどオフィス向けデバイスには頑なに採用しないの謎過ぎる。

③トラックボールを支えるベアリングが滑らか過ぎる

現状市販で手に入るトラックボールで唯一のギミックで本当に滑らか。一般的な人工ルビーで支持するトラックボールは摩擦による抵抗がどうしてもあり、引っかかったり手垢がたまるとどんどん滑りが悪くなってその都度掃除が必要。

しかしボールベアリング支持部はそれ自体が回転するためゴミもたまらず性能も落ちない。さらに万が一ベアリング部分が壊れたとしても、単体で販売しているので一安心。

④最大レポートレート1000Hzでゲーミング対応

ELECOM Bridge G1000ワイヤレステクノロジーを搭載しており、 ゲーミングセンサー(PixArt PAW3316DB)とハイグレードMCUによって最大レポートレート1000Hzに対応、ゲーミング用途にも耐えうる通信とトラッキング性能を有している。

同じく1000Hz対応のHuge Plusは有線のみ対応、他社でも1000Hz対応Expert Mouse TB800は不具合により販売終了、そのため無線かつゲーミング対応トラックボールは現時点ではIST PROのみとなっている。

個人的には元々トラックボールでゲームをしていたのでより快適になって感謝しかない。

⑤最大6台接続と便利な切り替えダイヤル

 最大6つのデバイスに接続できるだけでもありがたいのに、特許出願中らしいこのダイヤルによる接続切り替えは画期的で、手元を見ずに簡単に変更できるのはとても便利。

切り替えボタンが背面にあり、その都度裏返す必要がある製品も多いので地味だけれど大きなメリット。

IST PROのイマイチなところ2つ

①ジェスチャー機能が使いにくい

IST PROのジェスチャー機能は格闘ゲームのコマンド的なものをボールで入力することで発動する。これがお世辞にも使いやすいとは言えず、ロジクールのMX ERGOにあるジェスチャー機能の方が使いやすくてIST PROの使用を断念するというレビューも結構目にする。

発売発表会ではMXシリーズのジェスチャー機能に近いものがいずれ搭載されるという紹介写真があったので、これが実現すればほぼMX ERGOの上位互換になる可能性を秘めている。

②表面の滑り止めがいずれ劣化する可能性

ロジクールのMXシリーズ表面のベトついて劣化してくる表面コーティングは悪名高く、長期使用者なら少なからず実感する短所として有名な話。

なのに後発なIST PROはわざわざ似たようなコーティングを施している。一応耐久性は高いようだが公式も劣化しないとは言い切れないと回答しており、長期使用における不安要素として残っている。

そもそもIST PROは手の平が滑り落ちるほど傾いてはおらず、普通のマウスのように持ち上げることもないのでなぜこのコーティングを施したのか大いに謎。高級感を出したいなら同社のDEFT PROのような表面処理で良かったように思う。

IST PLUSとの比較

IST PLUSの特徴

2026年6月に無印ISTとIST PROの間の価格帯の新モデルIST PLUSが発売する。IST PROとの違いとしては本体自体は無印ISTと同じで少し小さく、そのため劣化する可能性のあるコーティングがないのは良い。

そして上述のIST PROのメリットのうち④と⑤を省き(⑤の代わりはボタンになって接続数3台に減少)、新しいボールローラー方式のポール支持ユニットが最初から付いているモデルと、従来のベアリングモデルとの併売となる。

充電式バッテリーは使用できず、そのため有線接続にも対応していない。しかし無印ISTからはオンボードメモリや静音スイッチ、接続方法増加など進化だらけなので今無印を買うならIST PLUSを買ったほうが圧倒的に快適。

IST PLUSかIST PROどっちを買うか問題

ゲームをせず充電式バッテリーや有線接続が要らず、乾電池駆動で良いなら値段も安いIST PLUSに軍配が上がる。個人的には手汗を書くので表面コーティングがないのも良いし、静音スイッチで引き続きボールベアリングユニットにも対応している。

ただしIST PROも発売から1年半経過し、プライムデーとかだと1万5千円を切ってくるのでIST PLUSベアリングモデルとの価格差も小さい。トラックボールでゲームするならIST PRO一択、あとはボタン数や接続先数と駆動方式、サイズも異なるのでフィット感で好みの問題となる。

ゲームでも使える他ボタン親指トラックボールIST PRO

先述したが、ゲーミンググレードのトラックボールで現在日本で手に入る親指操作型はIST PROのみ。無線でもゲーミンググレードのレポートレートで駆動し、10個ものボタンは仕事でも使いやすい。

そしてゲーマーではなくてもボールベアリングの操作感は優位無二なので、他の親指トラックボールで指が痛い人は一度ISTシリーズに触れてみて欲しい。