まだまだ新参者なHHKB信者を6年やっており、好きすぎてHHKB Professional HYBRID Type-Sを使う場所を分けたり別バージョンだったりで6台も購入してきた。

その合間に定番のものやゲーミングキーボード、さらには自作キーボードや数あるメカニカルスイッチも試してきたが、静電容量無接点方式を超える押し心地のものは他になく非常に気に入っていた。

ただし一つだけ個人的に大きな不満点があった。それは押下圧が45gのモデルしかなかったことだ。短い時間なら気にはならないが、長時間時間打ち続けたときその重さが仇となり、指が疲れて場合によっては軽い腱鞘炎になるときもあった。

そこで以前同じ静電容量無接点方式のREALFORCEの押下圧30gに浮気したことがある。HHKBの感覚が染み付いていて最初は軽すぎて底打ちしまくるも、慣れると撫でるように軽い力で打てるのには感動した記憶がある。

しかし現在ホームポジションを左右にずらす疑似分離配列を使っているのでキー印字は必要なく、REALFORCEには無刻印モデルは愚か無刻印キーキャップすらない。

メインキーはHHKBのものを移植できるが全てのキーは不可能でスペースキー等もサイズが異なる。さらに最右端のキーがエンターキーのモデルはなく、そのためコンパクトさにもかけて個人的欲求を満たすモデルはなかった。

*疑似分離配列については以下記事で解説しています。

一応サードパーティー製で押下圧30gに変更できる部品も存在するが、純正品ではないのとあまり評判がよろしくないので選択肢から除外。

ここまできたら同じ東プレスイッチを使っているのでREALFORCEの30gスイッチをHHKBに移植してしまおうかと思っていた矢先、ついに限定モデルとはいえHHKBの押下圧30gモデルが満を持して発売された。

上述の理由で即決購入し届いたので、本記事も記念モデルで入力しながら早速レビューしていきたい。

HHKB30周年記念モデルの特徴

通常モデルと比較、キーキャップ以外見た目は変わらない。

押下圧30g

本商品最大の特徴でHHKB初45g以外の押下圧。これはHHKB史上画期的であり30年の歴史の中、静電容量無接点方式のモデルは一貫して押下圧45gを貫いていて、世に出回っているキーボードもだいたい45g付近の押下圧が多い印象だった。

同じ東プレのスイッチを採用しているREALFORCEには30gのモデルがあるが、HHKBで採用されることは今まではなかった。自分を含めもっと軽い押下圧HHKBが欲しいという声と、30周年ゆえに30gとゴロも良いとのことで実現した模様。

商品説明ではただスイッチ内部のラバードームを柔らかいものに変えただけとあるものの、押し心地については後述する。

専用デザインのキーキャップ&引き抜き工具

本商品には30周年記念デザインのキーキャップが付属する。30周年を表す装飾の赤いControlキーだけでなく、雪モデルから採用された中央印字のスタイリッシュなキーキャップが最初から装着されている。

ご丁寧に赤くないControlキーも付属しており一色統一で使いたい人の期待にも答える。個人的にはHHKBは無刻印で使っているのでコイツ用に追加でキーキャップを購入、そのため値段はHHKB Studioを超えてしまったがお布施ということにしよう。

中央印字キーキャップは雪モデル以外要別途購入なため、墨と白を購入する場合実は通常モデルよりお得な値段で購入できる。さらにキーキャップ引き抜き工具も追加で付属しているので、3,000円高いからと購入をためらっている人は参考にして欲しい。

30周年記念ステッカー

使わないので未開封。

30周年記念を表すものが2種類、旧モデルUS配列右下の余白にあったHappy Hackingの文字をあしらったもの、合計3つの記念ステッカーが付属している。

個人的にはシール類は一度使ったら剥がせないし、かといって貼らずには飾りにくいのであまりいらないものの、何十年もHHKBを使っている人にとってはHappy Hackingのステッカーは懐かしがらずにはいられないかもしれない。

専用デザインの外箱

製品が収められている外箱も30周年記念仕様となっている。通常モデルのブラックの箱もスタイリッシュで良かったけど、こちらは墨色に近い色合いになっていて、墨色モデルを購入した場合テンションが上がる。

HHKB30周年記念モデル押下圧30gの推し心地

押下圧30gは本当に指が疲れない

押下圧45gに慣れていると、最初は非常に軽く感じるものの数分で撫でるように入力できるようになる。静電容量無接点方式で静音のスイッチは押し込み初めは軽く最後の押し切るところで重くなるが(あくまで体感)、押下圧30gだとまったくその重さを感じない。

抵抗が少ない分入力速度も体感的に上昇、個人的にはもう押下圧45gは使いたくなくなるほどに気に入ってしまい、予備でもう1つ購入しようかと考えている。

特に一番弱いくせに押すキーが多い上に負担が大きい小指への負担減は顕著で、REALFORCEに変荷重で小指キーを軽くするモデルがあるのも頷ける。EnterやBSを押しすぎて小指が疲れる人はここだけでも購入する価値がある。

REALFORCEの押下圧30gとの比較

3年前に静電容量無接点方式の30gを体験したくなり、近くに試打できる場所もなかったのとゲーミングキーボードが欲しかったのでREALFORCE GX1 押下圧30gモデルを購入したことがある。

当時もその軽さに感動してしばらく使っていたが、30周年記念モデルはそれを明らかに超える打鍵感だと感じる。なにより軸がブレないのでまっすぐスッと入力できるのは素晴らしい。最新モデルのREALFORCE RC1 押下圧30gモデルと比較しても軸ブレが少ないというレビューもXで確認できた。

結局初期不良でREALFORCEは返品になって手元にはない。そして同じ東プレスイッチでも販売会社によって独自のチューニングを施してるらしく、その影響も打鍵感の違いに現れている気がする。

メカニカルスイッチとの比較

HHKB Studioを購入したときにメカニカルスイッチの多様性を知り、そこから自作キーボード沼に浸かったときに指に負担のないキースイッチを求めて、色々買い漁ったことがある。

特に軽さを求めて購入したロープロファイルのスイッチなんて押下圧20gという驚異的な軽さだったが、推し心地はあまり良くはなかった。他にもKailhやGatron他の30g以下のスイッチも色々試したものの、静電容量無接点方式には個人的に敵わず終い。

綺麗好きなこともあり、メカニカルスイッチは潤滑剤が隙間から漏れてベトつき最初から容器をベトベトにしてたり、キーボードを汚すのが耐えられずに手放すことになった。

他にもガスケットマウントという基盤が沈み込む方式ことで、負担を減らし打鍵感を良くするメカニカルキーボードも使ってはみたものの、場所によっては沈み込む深さが違っており、一番負担のある小指部分があまり沈まなかったりと使い心地が微妙、これまた静電容量無接点方式には及ばなかった。

同じ押下圧30gのものでは、唯一対抗できるのはREALFORCEだけかもしれないという個人的結論に至った。

HHKB30周年記念モデル押下圧30gを買う判断基準

押下圧30gに魅力を感じるか否か

本商品の押下圧30gの一点に魅力を感じるなら迷わず買うべし。今HHKBを使っていて指が疲れる人、REALFORCE押下圧30gを使っていてコンパクトモデルが欲しい人、とにかく負担なく快適に入力したい人なら迷わず購入して良いと思う。

もちろん記念キーキャップや記念ステッカーが欲しい人は、そこに39,600円の価値を感じるなら買っても良いかもしれない。墨と白のモデルは通常版を買うよりお得なので、初めてHHKBを購入する人には無条件でおすすめしたい。

要望があれは再登場の可能性あり

墨モデルUS配列・750墨モデル日本語配列・750
白モデルUS配列・300白モデル日本語配列・300
雪モデルUS配列・450雪モデル日本語配列・450
通常モデル各色の販売台数を元に台数を決めているとのこと。

限定モデルゆえに上記のような在庫数で販売されており、この数を半年ほどで売っていく予定らしい。

そして売り切れてから欲しくなったり気付いたときには終売していても、確実ではないが要望が多ければ再販したり、墨色だけとかで常設商品になる可能性があると公式から明言されている。

なのでもしあとになって欲しくなった場合定価以上の転売品などには手を出さずに、公式に押下圧30gモデル再販の要望を送る方が建設的でおすすめだと思う。

HHKB押下圧30gモデルを発売してくれてありがとうPFU様

ほんとにPFUさんには今回のモデルを発売してくれたことに感謝しかない。押下圧30gで60%サイズで無刻印キーキャップあり、有線無線両対応で長期使用に適した単3乾電池で動き、US配列は左右対称の美しいデザイン、そして壊れにくく日本製なキーボードは知る限り他にはなく唯一無二、これからも40年、50年と販売され続ける未来を切に願っている。